こんな質問を行いました②

交通系ICカード「はやかけん」について

【質問】交通系ICカード「はやかけん」の導入の経緯、ICカードによって乗車することの利用者・交通局のそれぞれのメリットは何か。【答弁】平成13年にJR東日本でSuicaが導入されて以降,各交通事業者でもICカードの導入が進み,福岡市交通局においても,公共交通機関としてお客様の利便性向上を図るため,平成21年3月に導入した。お客様のメリットは,乗車券として自動改札機にタッチするだけで利用でき小銭がいらないこと,入金しておくと定期券区間外への乗越しも改札機で処理できること,全国の交通事業者と相互利用できカード1枚で全国の交通機関と電子マネーが利用可能になること。交通局のメリットは,独自のICカード「はやかけん」を導入することで,独自のポイントサービスなど,お客様ニーズに合わせたサービスが可能となること,「はやかけん」が普及することにより,地下鉄及び公共交通の利用拡大に繋がること,きっぷ・定期券等の券紙代や出改札設備の保守費の節減されること。

 【質問】市交通局にとって自社発行のICカード・はやかけんの発行枚数は、多ければ多いほど良いことなのか。また発行枚数が増えることは地下鉄利用者にとってどのようなメリットがあるのか。【答弁】「はやかけん」の普及が進むことによって、交通局にとってはお客様サービスを目指した「はやかけん」の独自サービス(ポイントサービス、乗っチャリパス、ちかパス65等)の波及効果が大きくなることや,ICカードの発注数量が大きくなることで調達コストの減少やICカード1枚当たりの運用費が低減できることがメリット。発行枚数が増えることにより,はやかけんのブランド価値が上がり,より多くの民間会社との連携したサービスを進めることができるなど,利用者にとってもメリットがあると考えている。

 【質問】福岡市交通局は、「はやかけん」の普及拡大に向けて現在どのような取り組みを行っているか。【答弁】「はやかけん」の利用促進策として,従来から行っている駅構内における掲示物・パンフレットや構内放送等でのPR。福岡大学・中村学園大学オープンキャンパスにおけるPR・販売促進。民間会社と連携したパーク&ライドサービス,レール&カーシェアサービスに加え,平成28年度から,はやかけんひと駅ポイントを10月に開始。アビスパ福岡との連携によるグッズプレゼント企画「Avi&sub」(アビサブ)を実施。

【質問】市内3社および全国においても(発行枚数)最下位である原因は、他のICカードと比較して機能面やサービス面で弱いのではないかと感じる。市内の西鉄のニモカ、JR九州のスゴカ、市営地下鉄のはやかけんの主なサービス内容を比較して、はやかけんの強みをどのように分析されているか。【答弁】福岡市地下鉄は公営企業であり,市の政策と連動した取り組みを進めていくことができるのが強み。例えば,ちかパス65や運転免許返納割,のっちゃりパスなど市の施策との連携したサービスや,市施設への電子マネー決済導入などが挙げられる。

 【質問】今や、どの業界も顧客獲得サービスの主流として、ポイントサービスは欠かせない。「はやかけん」のポイントはどのように貯めてどのように使うのか?ポイントサービスについて説明を求める。【答弁】事前に入金した「はやかけん」で地下鉄に乗車いただくことで貯まる「はやかけん乗車ポイント」,「地下鉄・JR筑肥線乗継ポイント」,「ひと駅ポイント」の3種類のポイントがある。ポイント有効期限は付与された月から1年後の月末まで。たまったポイントは,駅券売機・精算機及び定期券うりばでチャージすることで,乗車料金や電子マネーとして利用できる。

 【質問】はやかけんは累計ポイント数をどのように確認するのか?貯まったポイントを利用するにはどうしたらよいのか。また、利用者にとってポイントの還元方法がわかりづらく説明が足りない。ポイントが失効しないよう告知方法を改善・強化するなど対策を行うべきだと思うがどうか。【答弁】貯まったポイントは,駅券売機・精算機及び定期券うりばで確認できる。また,ポイントに有効期限があることやポイントチャージの方法は,「はやかけんご利用ガイド」(冊子)や交通局ホームページで周知する他,券売機周りのポスター掲示や列車内の中刷り広告枠,駅構内の電照広告等でお知らせしている。引き続き,有効期限内のポイントチャージについて周知を図っていく。

 【質問】ポイントチャージ用に充当される平成28年度の当初予算額と決算額、そして不用額として計上されたポイント相当金額はいくらだったのか【答弁】

平成28年度におけるICカードポイント費の予算・決算額

予算額 決算額

(チャージされた額)

不用額
293,380千円 171,056千円 122,324千円

 【質問】今や交通系ICカードは複数枚持っている人も多い。旅行の記念にご当地ICカードを購入して旅の思い出としてコレクションする人やお土産として購入する人もいる。個人がさまざまな交通系ICカードを複数枚持つことに対して交通局として困ることはあるのか。 【答弁】ICカード発行事業者によってポイントサービス等が異なることから,経済性の観点で複数のICカードを使い分けているお客様もおり,特に支障はないが,地下鉄利用の際には「はやかけん」を選んでいただけるよう,お客様の利便性向上や独自サービスの充実に努めていく。

 【質問】テレフォンカードや、地下鉄でもFカードのようにプリペイドカードのデザインや絵柄を楽しんだ時代もあった。福岡の魅力をデザインした「はやかけん」を発行することもアイデアの一つではない。例えば、今シーズン日本シリーズで優勝し日本一になった福岡ソフトバンクホークスとコラボした「日本シリーズ優勝記念はやかけん」や毎年変わる「鷹の祭典カラーをデザインしたはやかけん」、「アビスパ福岡とコラボしたはやかけん」など、地下鉄を利用してスタジアムに観戦に駆けつけるファンも喜ぶような「はやかけん」があってもいいのではないか。特別記念デザインや販売枚数限定版など、魅力ある取り組みで販路拡大を図るべきだと思うが、所見を伺う。【答弁】「はやかけん」は特に高いセキュリティを持つ特殊な仕様のカードであることから,発注から制作に半年以上の期間を要す状況だったが,無地のICカードに印刷を行い,短期間で記念デザインのカードを発行する仕組みを平成30年1月に導入する。今後,記念デザインの「はやかけん」をタイムリーに発売していく。

 【質問】交通系ICカードも電子マネーとしての役割も大きくなり各社しのぎを削るサービス合戦の時代に入った。「はやかけん」も、ポイント付与サービスのさらなる提携先の拡大や自動チャージ機能などの追加など、電子マネー機能としても時代に対応しながら利便性を向上させ、顧客獲得を目指すことも考えるべきではないか。【答弁】ポイントサービスの提携については,全日本空輸と提携した「ANAはやかけん」とのポイントの交換や,環境局のECOチャレンジ応援事業におけるポイントとの交換を行っているが,ポイントの提携先拡大についても検討していく。自動改札機にタッチされたICカード内のSF残高が一定額を下回った際に、自動的にクレジット決済によるチャージを行う「オートチャージ」機能の導入については,多額のシステム改修費を要するため,費用対効果の観点から導入していないが,お客様ニーズや先行事業者の状況等を注視していく。

 【質問】「はやかけん」が、デザインやポイントサービスの向上を含めて、はやかけん独自の魅力ある交通系ICカードのブランドとして普及していくことは、その購入を目的の一つとした観光客の増大や経済的効果にもつながる「福岡ブランド」としてPRできる手段の一つではないか。「はやかけん」の普及を自治体としてどのようにかかわり、福岡の魅力をさらに高めていくのか副市長に伺う。【中園副市長答弁】「はやかけん」は,市の政策と連動した取り組みができることが強みであるので,独自サービスの充実とともに,はやかけん利用者の利便性向上やサービスの充実に努めていく一方,福岡以外でも利用可能なカードであることから,より魅力的なデザインのはやかけんを発行するなど,近年増加している観光客の方にも選んでいただけるカードとなるようブランド価値を高めていくことで,福岡の魅力の増大に寄与していきたい。