市営駐輪場における盗難自転車対策について

【質問】過去5年間の福岡市内での自転車盗難認知件数を伺う。また、市としてこれまでどのような自転車盗難対策が行われてきたのか伺う。【答弁】平成24年6,512件。平成25年6,705件。平成26年6,579件。平成27年6,144件。平成28年 5,828件。福岡市防犯のまちづくり推進プランに基づき,出前講座における防犯意識啓発,「新大学生防犯強化月間」における大学生等に対する防犯注意喚起メールの配信,警察や地域と連携した防犯キャンペーン等における啓発,路上駐輪場における施錠啓発看板の設置,防犯環境に配慮した駐輪場の施設整備の推進など。

【質問】平成28年の自転車盗難認知件数5828件は、20政令都市で比較すると、ワースト順位では何番目になるのかお伺いします。【答弁】政令指定都市における人口千人当たりの認知件数では平成28年2位

【質問】過去5年間のワースト順位の推移をお示しください。【答弁】平成24年2位、平成25年3位、平成26年2位、平成27年3位、平成28年2位。

【質問】平成28年の5828件の自転車盗難認知件数を区別に伺う。

博多 中央 城南 早良 西
認知件数 914 1,157 1,248 707 478 671 653

 【質問】警察署は校区別で自転車盗難認知件数を把握し公表している。市のワースト10となる校区は、自転車が盗難されやすい特徴としてどのようなことか市としての分析を伺う。【答弁】商業施設等密集地や大学周辺など。

【質問】どのような自転車が盗まれる傾向なのか、自転車を盗む側の目的としてどのような考えで盗難行為が行われているのか伺い知れる統計があれば伺う。【答弁】福岡県警に確認したところ,盗難された自転車の種別並びに,自転車を盗む人の目的を集計したデータがない。

有名なホームセキュリティの会社が、警視庁の2011年データをもとに行動分析した結果が記事になっていた。自転車を盗む目的には大きく3つあり、一つめは、あまり悪気もなく軽い気持ちで足として使う「ちょい乗り」と呼ばれるものや、いたずらによるもの。二つ目が転売ルートを持つプロの仕事によるもの。三つめが自転車を自分のものにしたい「マニア」によるものと、区分されそうである。特に悪気もない「ちょい乗り」は、ちょっと借りる感覚で、軽い気持ちで使える自転車にまたがり、目的地に着くとそれを放置することが多いとのこと。その結果、放置自転車が発生するひとつの要因にもなっている。

質問】市内での自転車盗難発生時の施錠有無の割合と、どのような場所で盗まれているのか、データがあれば伺う。【答弁】施錠の有無別の発生状況:施錠あり 58.7%:施錠なし 41.3%平成28年における主な盗難場所の認知件数:商業施設等の駐輪場2,174件、共同住宅2,011件、路上522件

約4割が鍵をかけていない状態の自転車が盗まれていることから,確実に施錠すること。また意外にも、約6割が鍵をかけていているにもかかわらず盗まれていることが判明したので、二重ロックなどの自主防衛がいかに重要であり、欠かせないかがわかった。

【質問】市営駐輪場で自転車盗難は年間何件発生しているのか。また、市営駐輪場に防犯カメラは何か所設置されているのか。カメラ設置の目的を伺う。【答弁】有料で有人の施設型駐輪場で,駐輪場の指定管理者に寄せられた自転車が無くなったなどの相談については,平成28年度は45件把握している。市営駐輪場での盗難自転車の発生件数について正確な数値の把握は困難。市営駐輪場134か所のうち施設型の22か所に防犯カメラを設置している。設置目的は,駐輪場内の施設構造により管理上死角となる部分などに設置しており,犯罪や事故発生時など警察からの要請があれば映像の提供を行う。

【質問】自転車盗は刑法ではどのような罪になり罰則はどうなっているのか。【答弁】窃盗罪(刑法第235条)10年以下の懲役または50万円以下の罰金。遺失物横領罪(刑法第254条)1年以下の懲役または10万円以下の罰金若しくは科料。

他人の自転車を勝手に乗り去るという行為は犯罪に間違いない。平成 28年版「犯罪白書」によると、窃盗罪は認知件数において一般刑法犯の7割を超える犯罪。その窃盗認知件数を手口別構成比で見てみると、空き巣3.9%、オートバイ盗4.4%、置き引き4.5%、車上ねらい8.1%、万引き14.5%、そして自転車盗は 32.3%と群を抜いて多いことが判明している。

【質問】福岡市は自転車盗難が多い都市であり政令市でワースト2位・3位が続いている。新たな視点を持って取り組む必要があると感じる。今後はどのような対策で自転車盗難の件数を減らしていくのか具体的な取り組みや考えがあれば伺う。【答弁】自転車の盗難防止対策については,中高生の交通安全教室等において,2重施錠の有効性等の啓発強化を行う。市営駐輪場での取り組みとしては駐輪場内での啓発看板などの掲示を強化する。街頭指導員を活用し無人駐輪場において啓発チラシの配布などを行う。県警へ協力を依頼し、盗難状況などの確認を行い、防犯カメラの設置を含め、効果的な盗難対策を検討する。

【質問】市長は7月の定例記者会見で、ご自身が大学時代にバイクを盗まれた経験があり、悲しい思いをしたことに触れられ、その記者会見場で発表された新しいIoT向けの通信ネットワーク「Fukuoka city LoRaWAN」の活用事例として、バイクにセンサー機器をつけていれば、今、自分のバイクが動いたかどうか、またどこにあるかがわかるようになると発表された。この「Fukuoka city LoRaWAN」の施策に対する市長の思いと、自転車の盗難対策につながる活用事例への期待について高島市長に伺う。

【高島市長答弁】福岡市では最先端の通信技術でIoT向けの通信ネットワークである「FukuokaCity LoRaWAN」(福岡シティローラワン)を整備しており、この通信網を活用して少子高齢化時代における持続可能な社会づくりや安全・安心のまちづくりなど様々な分野においてIoTなどのテクノロジーを活用した新しいサービスやビジネスが生まれることを支援している。自転車やバイクの盗難防止対策に役立つサービスも現在開発中と聞いており、これが実現することで愛着ある大切な自転車やバイクの盗難による市民のみなさんの悲しみが減少することを期待している。自転車の盗難防止対策については、議員ご指摘の通り、市民生活に密着した改善すべき課題で早急な対策が必要であると考えており、こうした最先端のIoT技術を積極的に活用するとともに、引き続き地域団体、企業、警察などと緊密な連携を図りながら取り組んでいく。