令和元年9月議会の一般質問その②です。

ドライブレコーダーの普及促進について         

 近年、高速道路上においての煽り運転や逆走、一般道路においてもアクセルとブレーキの踏み間違いなどによる暴走・死亡事故のニュースが後を絶ちません。SNSなどの普及によって事故現場の瞬間などをとらえた一般人のドライブレコーダーの映像などが、報道ニュースでも公開されることも多くなりました。

直近では常磐自動車道で発生した煽り運転からの傷害事件において、被害者の車両に搭載されていたドライブレコーダーが、その一部始終を捕らえた映像によって明らかになり、指名手配、そして容疑者逮捕につながりました。また、本市においても、本年6月4日、早良口交差点に猛スピードで車両が進入し、車数台が絡む重大事故2名が死亡した件も、後続車のドライブレコーダーが捉えた映像がメディアで報道され、事故の瞬間の様子を多くの人に知らせる結果になりました。

映像による証拠ほど事実を語るものはなく、事件事故の解決に結びつきやすいことから、ドライブレコーダーの存在価値が防犯カメラとともに注目されています。本来、ドライブレコーダーの普及促進としてのテーマを、議会で質疑するならば、県警や生活安全関連の所管局ということになりますが、把握できない質疑にもなりますので、今回は本市が所有する庁用自動車のドライブレコーダーに関する普及促進の内容とし、その所管となる財政局を中心にお伺いして参ります。

Q まずは、ドライブレコーダーとはどういうものなのか改めて伺います。

国土交通省のホームページによると,ドライブレコーダーとは、急ブレーキ等の衝撃を受けると,その前後の映像とともに,加速度等の走行データを記録する装置とされている。

国土交通省は、平成17年度に全国のタクシー事業者542社を対象に、ドライブレコーダーの導入状況に関するアンケートを実施し公開しました。ドライブレコーダーを搭載しているタクシー会社に、ドライブレコーダーの導入理由について尋ねたところ「事故を減らす」が89.5%、「乗務員の教育」が80.7%、「事故処理の迅速化」が68.4%、「運行管理の適正化」10.7%、「自社のイメージアップや社会貢献」が3.6%と続きました。

「ドライブレコーダーの導入効果」について尋ねたところ「概ね期待通り」が53.8%「期待通りまたは期待以上」が36.5%一方で、「期待外れが」3.8%という結果でした。少し古いH17年度のデータではありますが、すでにドライブレコーダーに一定の導入効果があることが証明されています。しかしながら、ドライブレコーダーを取り付けるには、当然費用がかかります。そこで伺いますが

Q 現在、財政局が所管する車両に搭載されているドライブレコーダー1台当たりの導入費用はいくらなのかお伺いします。

今年度購入したドライブレコーダーの導入費用は約3万円であった

Q 仮に、財政局が所管している車両のうち、ドライブレコーダーが搭載されていない車両全車に、後付けで設置するとすれば、概算でいくら必要になるのかお伺いします。

ドライブレコーダーの設置されていない522台に設置すると約1,600万円程度必要となる。

約1600万円との回答でしたが、それだけの費用対効果があるのかもしっかり検証する必要があるのは当然です。一方で522台という膨大な数の車両にドライブレコーダーが取り付けられていないというのも疑問です。そこでうかがいますが

Q 庁用自動車のドライブレコーダーの搭載状況について、車両を所管している局に伺います。それぞれの局の車両台数、そのうちドライブレコーダーを搭載している車両台数そして搭載率をお示しください。

【財政局】財政局で所管している庁用自動車543台中ドライブレコーダー搭載は,21台。搭載率は,3.9%。

【消防局】消防局が運用しております車両は228台で,平成29年度末までに全ての車両にドライブレコーダーを搭載しており,搭載率は100%です。

【水道局】水道局が所管している車両台数は120台で,ドライブレコーダーは未設置であり,搭載率はゼロ%。

【交通局】交通局では,リース車両を含め12台の庁用車を管理しているが,ドライブレコーダーは未設置であり,搭載率はゼロ%である。

交通局と水道局はドライブレコーダーの搭載台数は0。財政局は3.9%という状況です。消防以外の局は、ドライブレコーダーの必要性を全く感じていないかのような搭載率になっていることが気がかりです。

Q すでに全ての車両にドライブレコーダーを搭載している消防局に伺いますが、ドライブレコーダーを設置・搭載している目的・理由についてお伺いします。 

【消防局】各所属長の職員への運転指導に役立てることや運転を記録されているという心理的な面を職員の安全運転に繋げるほか,事故が発生した際の事実確認を搭載の目的といたしております。

運転指導に役立てることや運転手の心理的な面から安全運転に繋げること。また万一事故が発生した際の事実確認に役立てることがその目的との答弁です。先ほどの国土交通省のアンケートの「導入の目的」と合致するところがあります。また、事故発生時の事実確認にも役立てることが目的の一つとのことでした。

Q そこで庁用自動車を所管している各局に伺いますが、過去5年間の庁用自動車による交通事故の総件数と年度ごとの詳細を伺います。

【財政局】財政局で所管している庁用自動車の,本市側に過失のある有過失事故の過去5年間の件数は79件。平成26年度16件、27年度16件、28年度21件、29年度14件、30年度12件

【消防局】消防局の過去5年間における有過失事故の発生件数は9件。平成26年度4件、27年度1件、28年度3件、29年度1件、30年度0件

【水道局】水道局の過去5年間における有過失事故件数は 14 件。平成26年度1件、27年度6件、28年度1件、29年度4件、30年度2件

【交通局】交通局の過去5年間における有過失事故は2件です。平成26年度2件27年度0件、28年度0件、29年度0件、30年度0件 

庁用車による交通事故は5年間で福岡市全体として合計すると104件。年間平均20件の事故が発生しています。これら庁用自動車による事故の再発防止のためにも、ドライブレコーダーの録画データによる事故事例として活用すべきであります。消防局のような運転指導や、運転を記録されているという心理的な面を職員の安全運転につなげる講習が事故を減らすためには必要なのではないでしょうか。また万一事故が発生した際、職員に過失があったか、なかったかという事実確認できることから、場合によっては職員を護ることにもつながります。

この夏、議会事務局調査法制課に依頼し、福岡市を除く政令指定都市19都市に、庁用車のドライブレコーダーの搭載台数などを調査していただきました。本年4月1日時点でのドライブレコーダー搭載率を比較すると、さいたま市の56.8%を最高に、横浜市や川崎市が50%代、名古屋市、京都市、大阪市が40%代で搭載されています。また今後、庁用車全車に設置する計画はあるのか尋ねたところ、同じ九州の北九州市と熊本市をはじめ、全国で多くの政令指定都市が全車に搭載を検討しているとの回答でした。

 私は先日、すでに市の庁用車全車にドライブレコーダーを搭載している兵庫県西脇市を訪問し、お話を伺って参りました。西脇市では、職員の安全運転につなげることや、事故時の事実確認の目的以外にも、一般市民を守るため防犯カメラの役割としての機能にも期待し、全車に搭載したそうです。

ドライブレコーダーは防犯カメラの役割もあるとの意識が庁用車を運転する職員に徹底されており、防犯カメラが設置されていない通学路や危険な交差点などでは見守りの意識も忘れず運転していると言われていました。また、全ての庁用車には「ドライブレコーダー録画中」と書かれたステッカーを貼って走行しており、効果は未知数ですが、一般車両の安全運転の啓発になればと期待しておられます。

運転する職員の気持ちについても伺いました。ドライブレコーダーが搭載された車両を運転することは、車内での運転態度や会話までもが管理されているかもしれないという、嫌な面はあったのかもしれませんが、一方で庁用車には自治体名が大きく記載されていることもあり、市職員としてこれまで以上の自覚が芽生え、導入後は運転態度や交通マナーに注意するようになったとの意見があったそうです。このような視点から

Q 福岡市でも庁用自動車に関して、ドライブレコーダーを随時設置すべきと考えます。本市にその考えはないのか?それぞれの局にご所見をお伺いします。

【財政局】平成28年度から実施した試行導入の結果,一定の効果が見込めるため,今後の導入は,車両更新時にドライブレコーダーを搭載する方向で検討しております。

【水道局】水道局においては,今後更新する車両から,ドライブレコーダーを搭載する方向で検討しています。

【交通局】交通局においては,財政局と歩調を合わせ,ドライブレコーダーの導入を検討してまいりたい。

導入に向けて検討するという答弁を各局から頂きましたが、最終的に求められるのはその効果です。庁用自動車にドライブレコーダーが設置されたことによって,職員の交通事故が減るための取り組みに生かしていただきたい。また,市民が安心して道路や歩道を走行・歩行できるようになることにつなげていくことが大切であると思うのです。「煽り運転」の実態が浮き彫りになり、社会問題化した今、自動車メーカーにおいてドライブレコーダーを標準装備にする動きも出てきました。

また、保険会社においても自動車保険の特約に煽り運転対策を追加する動きも出てきました。そして、悪質な煽り運転の罰則化への法整備や、ドライブレコーダーの普及促進について、国会でも秋の臨時国会に間に合うよう検討されていると報道もありました。これからの時代、車両事故から命を守るツールとして、ドライブレコーダーは必要不可欠な装備品になり、その普及促進について、政治にかかわる者もしっかり考えていかなければなりません。

Q 庁用自動車を運転する職員の最高責任者として、また、159万福岡市民の交通安全を見守るリーダーとして、高島市長にドライブレコーダーの普及促進についてのご所見を伺いこの質問を終わります。

高齢者が関わる重大事故や、煽り運転などの悪質で危険な行為が社会問題となるなど、交通安全対策は、安心安全のまちづくりにおいて重要な課題であると認識している。古川議員ご指摘のとおり、ドライブレコーダーにつきましては、ドライバーの安全意識の向上が期待できるとともに、記録映像が交通事故原因の特定にもなることから、庁用自動車への搭載を進めるとともに市民の皆様に対し、県警や民間事業者などとも連携して、ドライブレコーダーの有用性の啓発を行うなど普及促進に努めていく。今後とも悲惨な事故から市民を守るため、交通安全の確保に資する新しい技術についても積極的に取り入れていくなど交通事故のない社会の実現を目指して参ります。(髙島市長答弁)