北天神エリアに須崎公園がありますが、この公園は天神という一等地に広大な土地を有する公園です。

しかし、今では野外ホールや噴水広場なども全く活用されておらず椅子や手すりも錆付いたまま。

(パネル:現状の須崎公園)

 

 

 

 

 

 

私のもとにも、「なぜここまでほったらかしなのか?」「幕末福岡藩の海防と台場がかつてこの場所にあったことを物語る石垣もあるのに活かされていない。貴重な歴史遺産を観光スポットとして有効に活用されていないのはもったいない」との意見や、「ひと気がなく大変静かな公園ですが、夜はひと気が無さすぎて少し怖い」という近隣住民からの声。「市民会館に用事がある時くらいしかこの公園に足を運ぶことがなく、天神地下街がもう少し北へ伸びたら便利なのにとの市民の声が寄せられていました。

このたび、北天神エリアの須崎公園が新たな拠点文化施設とともに再整備されることになり、私も大変期待をしています。そこで伺いますが

福岡市拠点文化施設整備および須崎公園再整備の目的は何か。またそれぞれの概要をお伺いします。

【経済観光文化局答弁】

当事業の目的としては,須崎公園と拠点文化施設を一体的に整備・活用することで,両施設の魅力が相まったみどり溢れる文化芸術空間を創出し,市民はもとより,国内外から多くの人々が集うエリアを形成することを目指すもの。拠点文化施設整備の概要は,約2000席の大ホール,約800席の中ホール,約150席の文化活動・交流ホール等を整備。須崎公園の再整備概要は, 施設との調和,回遊性の向上,水辺空間の活用をはかるもの。

本年1月28日に拠点文化施設整備と須崎公園の再整備に関して、落札業者が決まったと報告がありました。

この事業の落札価格および落札率、事業の業務範囲と今後のスケジュールを伺います。また新年度に係る内容と予算額を重ねて伺います。

【経済観光文化局答弁】

入札予定価格は,税抜き20,975,303,000円に対して,落札価格は,税抜き20,871,402,038円で,99.5%となっている。事業の業務範囲は,拠点文化施設及び須崎公園の整備について,設計・施工から15年間の維持管理・運営となっている。今後,令和2年5月に公園区域の変更に係る都市計画審議会を経て,同年6月に事業契約の議案上程ののち,設計に着手する。拠点文化施設及び須崎公園1期の供用開始が2024年3月,そののち,現在の市民会館の敷地を公園として整備し,全面供用開始が2026年3月に予定となっている。令和2年度の予算は,事業契約の準備や設計モニタリングなどの業務委託等として,30,564千円を計上している。

この事業はPFI-BTO方式とのことですが、PFIの良さは、本市の財政負担の軽減が図られることとともに、価格の競争、また施設の外観や機能を含めた提案力の競争が行われることだと思っています。しかし、公募に応じた事業者は1グループのみでした。

公募に応じた事業者がわずか1グループだけになった経緯と1グループのみの入札で競争性が確保できているのかご所見を伺います。

【経済観光文化局答弁】

3グループから入札参加表明書の提出があったが,その後,2グループの入札辞退の申し出があり,結果として,1グループから入札書等及び提案審査書類等が提出された。落札者の決定・公表まで,何グループが応募しているか分からない仕組みのため,競争性は確保されている。落札者の提案は,事業の目的を十分に踏まえ,要求水準書を上回るものと認識している。

この公共事業は大規模な事業でもあり、企業としてもやりがいがある仕事だと思っているのですが、入札参加表明があった他のグループが結局参入しなかった原因は、担当局としてどう理解しているのか伺います。

【経済観光文化局答弁】

各事業者の判断であるが,質疑や対話の意見から,利用料金収入や光熱水費の需要変動など,15年の長期にわたる運営に不安を持たれたのではないかと感じている。最終的には,取り巻く社会経済情勢の現状や今後の予測などを含め,総合的に判断されたものと考えている。

さて、このエリアには現在、県立美術館が存在しています。

須崎公園内にある県立美術館は大濠公園へと移転することが発表されました。現在の建物は引き続き活用されるとの報道があっておりますが最新の正確な情報を教えてください。

【経済観光文化局答弁】

令和2年1月27日の記者会見や同年3月4日の県議会代表質問に対し,知事は「現美術館の具体的な活用方策を検討していく。」と答えている。

拠点文化施設と須崎公園の再整備は、もともと県立美術館を残したままの設定で、整備計画や入札予定価格が設定されていたのか伺います。

【経済観光文化局答弁】

市としては,拠点文化施設及び須崎公園の実施方針の公表時点(H30.12)で,県の方針が決まっていなかったため,現・県立美術館は存置するものとして事業を進めており,当該敷地の整備に係る費用は入札予定価格に含まれていない。

現在、市が所有する土地を県立美術館に無償貸与していることは、もともとどういう契約になっているのかその条件を、所管する財政局にお尋ねします。

【財政局長答弁】

県立美術館用地にかかる県との使用貸借契約において,

・県は美術館用地に使用しなければならないこと

・使用貸借期間については,美術館として存続する期間とすること

・県は美術館用地以外の用途に使用してはならないことと定めており,また,約定する事項で疑義があるときは協議を行うことといたしております。

 2019年4月1日に発表されている整備事業の要求水準書を見ると、県立美術館の移転・再整備の方針が決まっていなかったため,県立美術館ゾーンとして現美術館の場所はそのまま、存続している状況での計画になっており、この時点では県立美術館を除く部分を整備する計画になっています。

その後、2019年6月の県議会で県知事は新県立美術館の建設に向け、基本計画の策定準備をすすることを表明。同9月の県議会で有識者による建設地選定委員会を設置し、明年1月に建設地の選定を行うと発言。そして本年1月16日県知事は建設地選定委員会から「大濠公園からの移転新築が望ましい」とする報告書を受け、1月27日県知事は大濠公園への移転を表明。同時に現施設も活用する方向性を示しました。

それ以降、市と県の互いのトップの発言をめぐり、主張のすれ違いが発生していることがクローズアップされて報道になっています。

これから生まれ変わろうとしている須崎公園をより良いものにしていくためには、県と市の胸襟を開いた話し合いこそ重要です。これまでの経緯を踏まえて、しっかりと県との協議を行うべきだと思いますが担当副市長の答弁を求めます。

【光山副市長答弁】

・施設が老朽化・狭隘であることなどから,県は平成19年に「県立美術館将来構想検討委員会」が設置し,新しい県立美術館の検討が進められていた。

・市としては,平成24年に「拠点文化施設基本構想」を策定し,平成30年12月に,拠点文化施設整備及び須崎公園再整備の実施方針を公表したが,その時点で,県の方針が決まっていなかったことから,県立美術館は当面,存置するものとして事業を進めてきた。

・令和元年10月に「新・福岡県立美術館建設地選定委員会」が設置され,新しい県立美術館は大濠公園へ移転,現在の県立美術館は,新しい県立美術館と相互,補完的に運用していくことが,令和2年1月に表明された。                   

・市からは適宜,情報提供を行いながら,県立美術館の検討状況を確認していたが,県からは,具体的な検討状況を示して頂けなかったことから,まずは,県の考えを聞いた上で,しっかりと協議を行っていく。

私は、新・県立美術館が大濠公園に移転するのであれば、現・県立美術館の土地は福岡市に返還を求め、一体整備に関連して、より多くの人に足を運んでいただけるようなエリアとして整備され、利用価値を高めていくべき土地だと思います。

また、話し合いの結果、仮に県立美術館移転後も、現・建物をそのまま別の目的で使用されるのであれば、相応の借地料をしっかりと頂くべきものと思います。

話を須崎公園に戻しますが、天神ビッグバンで天神が大きく変わろうとしている今、北天神エリアに存在する須崎公園は地域防災計画上、地区避難場所に位置づけられていることなどから、さらに重要な意味を持つ公園になるものと確信しています。

須崎公園がこれから行われる拠点文化施設との一体整備により、より魅力的な公園に生まれ変わること。また水辺にたたずむ公園として整備され、公園と那珂川の景観を楽しめること。

幅広い年齢層の市民が利用できるレストランも設置されるとうかがっており、市民や来街者の期待も大きい事業ですのでしっかりとお願いしたいものです。

これまで、国内外からの観光客は天神に来ることはあっても、須崎公園の存在さえ知らなかった人も多かったはずです。天神における人の流れが北天神エリアにも広がる可能性を秘めています。

須崎公園周辺の北天神エリアは、天神地区とウォーターフロント地区をつなぐ場所に位置しており須崎公園と拠点文化施設の一体整備にあたっては、公園や文化芸術の機能強化に加え、都心部の回遊性向上の視点も大変重要であると考えています。

須崎公園を含む、北天神エリアの未来についてどのように考えているのか髙島市長にお伺いし、私の質問を終わります。

【髙島宗一郎市長答弁】

・北天神エリアでは,今回,須崎公園と拠点文化施設を一体的に整備・活用し,緑あふれる文化芸術空間を創出していく

・須崎公園を含む北天神エリアは,天神地区とウォーターフロント地区をつなぐ重要な場所に位置していることから,周辺エリアとの更なる回遊性向上にも取り組み,賑わいや憩いに満ちたまちづくりを進めていく。