道路陥没対策について(質疑概要)

市内で昨年度の道路陥没件数は?
【答弁・道路下水道局長】
○道路陥没とは路面の下に空洞が生じて舗装が崩落して穴があいたもの。
○平成28年度で264件あり確認次第、速やかに補修している。

昨年度の264件について区ごとの内訳は?
○道路陥没の総件数264件の区の内訳は、東区42件、博多区70件、中央区39件、南区22件、城南区7件、早良区55件、西区29件

近年の道路陥没が起こる要因は、どのようなことと認識しているのか?
○主な要因としては、道路に埋設されている下水道管等の埋設物の損傷による土砂の流出、埋め戻し地盤の圧密によるものや、雨水や地下水の影響、地震などにより、路面の下に空洞が発生し、その空洞が拡大することによって道路陥没につながっている。

市の道路陥没件数に対し下水道管の老朽化等が原因とみられる陥没の割合は?
○平成28年度264件のうち、下水道管の老朽化等による損傷が原因とみられる陥没は121件で、割合は約46%。

下水道管の老朽化等による道路陥没を解消するため重要なことは何か?また現在どのような対策を取られているのか?
○陥没の要因となる下水道管の損傷の早期発見や路面下の空洞の早期発見が重要。
○下水道管については、損傷や劣化状況を把握するため清掃時の目視による点検や、30年以上経過した管を対象として、管の内部に自走式のカメラを入れて調査する「テレビカメラ調査」を実施。
○道路については路面下の空洞を早期に発見するため、平成6年度から路面下空洞調査を実施している。

路面下の空洞調査はどのように行われているのか?
○調査方法としては
・一次調査で、地中レーダを搭載し、路面下の空洞を探査できる車両を走行させて空洞の存在が疑われる箇所を把握。
・二次調査では、一次調査で空洞の存在が疑われる箇所について、ハンディ型地中レーダにより空洞の有無と位置、広さについて詳細な調査を行う。さらに、小口径ボーリングで小さな穴をあけ、小型カメラを挿入し空洞の厚さを直接確認。

路面下の空洞調査はどの程度の空洞を発見できるものなのか、また、発見した空洞についてはどのように対応しているのか?
○近年、路面下空洞調査の探査能力の向上により、小さなものでは厚さ1~2cm、広さ50cm四方程度の空洞から発見できる。
○発見した空洞は、大きさや深さなどから、危険性の高いものについては速やかに補修を行い、それ以外の空洞については優先順位を決めて順次補修を行っている。

市が管理している幹線道路と生活道路の距離数は?また昨年度と今年度はどのくらいの距離を調査されたのか?
○管理延長 幹線道路:約800km、生活道路:約3,000km
○調査延長 【H28年度実績】 幹線道路:96.4km、生活道路:32.6km【H29年度予定】 幹線道路:125km, 生活道路:60km

調査する路線や頻度はどのようにして決定しているのか?
○幹線道路については、過去の調査結果、地形や交通量、緊急輸送道路等の路線の重要度などを勘案し、路線ごとに2回/5年、1回/5年、1回/10年の頻度を設定。
○生活道路については、H27年度から着手しており、人口や避難所等の防災拠点からの距離などを勘案して、優先度の高いエリアを選定し、平成27年度から順次調査を進めている。

道路維持に係る予算の推移について、10年前、5年前と比較は?
○道路維持に係る当初予算の推移
今年度(平成29年度)は,約2,282百万円
5年前(平成24年度)は,約2,114百万円
10年前(平成19年度)は,約2,440百万円

路面下の空洞調査については対応できうる予算の確保を行うとともに、新たな知見や技術の導入など、より効率的・効果的に対応できるように研究を進めるべきだと考えるが?
○路面下空洞調査の予算確保については、平成29年度は平成28年度の1.5倍の調査を計画。来年度以降も予算確保に努め、予防保全型の道路の維持管理に継続的に取り組む。
○調査研究については、これまで蓄積した路面下空洞調査のデータを基に、平成27年12月から東京大学との共同研究を始めており、専門的な見地から研究し、効率的・効果的な調査や補修方法に繋げていく。

博多駅前の道路陥没事故以降も、陥没が発生している現状を鑑み、市民の生命と財産を守るための道路陥没の対策について、担当副市長の所見を?
【中園副市長答弁】
○路面下空洞の早期発見・補修及び下水道管の適切な維持補修を行い、道路の安全確保に努める。
○路面下空洞調査については、東京大学との共同研究を行っており、効率的・効果的な調査や予防保全型の維持管理に反映していく。
○今年8月に、学識経験者・国・政令市等による路面下空洞対策に関する戦略会議が設立され、福岡市から路面下空洞調査の実績の情報を提供するなど積極的に参画していく。